てんかん患者様やご家族に、いつも寄り添い見守るかかりつけ医。
一人でも多くの人へ最新の専門的な治療を提供したいと願うてんかん専門医。
抗てんかん薬の適切な服薬を、見守り支えたいと願う薬剤師。
そしてどこに住んでいようとも、よりよい治療を受けたいと願う患者様やそのご家族。
私たちノックオンザドアは、そんな皆様の声を元に、患者とてんかん専門医、かかりつけ医、薬剤師をつなぐ遠隔診療システム「nana-medi(ナナメディ)」を創りました。
てんかんに罹患されている方は、本邦で100万人程度いらっしゃると言われ、多くの患者さんは適切な診断や、抗てんかん薬などによる治療で発作が抑制され、通常の社会生活を送られています。その一方で、約3割の患者さんは発作の抑制が難しく、日々繰り返す発作に対応を求められる「難治てんかん」患者になります※1,2。
そのような、発作の抑制が難しい状況では専門医の判断を仰ぐ必要がありますが、てんかん専⾨医は日本に714⼈であり、しかもその多くが都市部に集中している状況です。地域によっては、てんかん専⾨医が県内に1〜数名しかいない場合もあります※3。
専門医のオンライン診療でこの課題が解決するかというと、てんかんは発作の緊急対応など地域医療の迅速な対応が必要な病気でもあるため難しい状況です。
そのため、地域のかかりつけ医と、遠方のてんかん専⾨医との連携を促進する取り組みの中で活用できるように、てんかん診療を支援するPHR「nanacara(ナナカラ)」と連動しオンライン診療が可能になるシステム「nana-medi(ナナメディ)」を開発しました。このシステムを活用
し、どこにいても専門医に相談できる治療環境を整えるべく、患者・ご家族、医師とともに取り組んでいます。
また、当社へ寄せられた声では、患者・ご家族は、薬剤師にもお薬に関しての相談をもっとしたいと望まれており、専門的な知識を保有した薬剤師への連携についての要望を多くいただいています。
そのため、薬局様とも連携し、この課題を解決する取り組みをはじめました。
※1 てんかんの有病率等に関する疫学研究及び診療実態の分析と治療体制の整備に関する研究_2013年
※2 Kwan P, MJ Brodie. Early identification of refractory epilepsy. N Engl J Med. 2000 Feb 3;342(5):314–9.
※3 2020年度てんかん地域診療連携体制整備事業 てんかん診療コーディネーターWEB研修・全体会議「てんかん地域診療連携体制整備事業 2020年度全国てんか
ん対策連携協議会」国⽴精神・神経医療研究センター病院てんかんセンター 中川栄⼆
※4 nanacara 患者・ご家族、医師と共に創り、ノックオンザドアが運営する、てんかん診療を支援するICTサービス「https://nanacara.jp/」
日本のどこにいても、専門的なてんかんの治療体制を提供する。そのためには、かかりつけ医の存在が欠かせません。地域の、患者のことをよく知るかかりつけ医と専門医が連携し、てんかん患者を見守る体制作りを、オンライン診療とPHRで支援していきたいと考えます。
さらに、てんかんのお薬に詳しい薬剤師も参画することで、より質の高い医療提供体制を、医療従事者の皆様と構築していきたいと考えています。
nanacara(PHR)でデータを共有
nana-mediで、nanacaraを
見ながらオンライン診療
これまでに多くの声を頂いていた、「どこに住んでいても、専門的なてんかん診療が受けられる」ための取り組みを開始できることを嬉しく思います。
私たちの開発したシステムが、かかりつけ医と専門医、薬剤師など、患者・ご家族様を支援していただいている方々に活用いただけ、少しでも患者・ご家族のよりよい暮らしに寄与できればと思います。
一方で、これはまだ第一歩であり、これまでと同様に、患者・ご家族様、そしてそれを支える方々と共に、より良い仕組みにするため、対話を続けて行ければと考えています。
ぜひ皆様のお声もお聞かせください。
そして、多くのてんかんに不安やお困りごとを持つ方のために、皆様と共に取り組んで行きたいと思います。